早寝早起き

前章で詳細に解説しましたが、研究所が理想とする睡眠は早寝早起きです。とくに新型うつ病の場合、生体リズムが狂って、過眠傾向(睡眠時間が一〇時間以上)が出やすく、たとえ起きたとしてもまだ寝足りない感覚が残り、せっかく朝起きたのに三度寝をし、起きたら夕方だったとか……。そのために、夜は目がランランとして眠れないといった、昼夜逆転状態になりやすくなるのです。新型うつ病を発症した人にとつて、朝がくることは苦痛です。それはどうしてでしょヽつ?・「またつらい一日を送らなければいけないんだ」と思うから。当然ですが、睡眠中はなんの不安感もなく、何も考えないでいられます。ところが、朝起きたらまた、つらい現実と向き合わなければならなくなります。このような苦しみは、当事者か発症経験がある人にしかわかりません。さらに、新型うつ病の特徴として、ただでさえ苦しい昼夜逆転状態に加え、身体が鉛のように重く感じる疲労感があります。

 

 

 

人によっては、まるでプロレスラーにフオールされたかのように、身動きができないような疲労感があるとまで言う方もいます。だとしたら、ベッドから起きあがることは苦痛以外の何ものでもありません。しかしながら、回復のために一番重要なことは、まず生活のリズムを規則正しくすること。そして早起きは、そのための「初めの一歩」。朝、目覚めたら、寝床でグスグズすることなく、 一気に飛び起きることが重要。 一番効果的なのは、日覚めたら真っ先に掛け布団をはね飛ばしてしまうこと。これだけでも心身に刺激を与え、覚醒のスイッチが入ります。


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