行動療法

新型うつ病治療のプログラムの核となるものが「行動療法」。簡単に言えば、何かの出来事に対する否定的な考え方、あるいは不安感がなぜ起こるのかということなどにスポットを当て、そのような認知(ものの見方・考え方)パターンを再検討し、変えていくことをテーマにした療法のことです。代表的なものとしては内観療法や日記療法。自己を見つめたり、書いたりすることで意識を変えていきます。そしてこの行動療法の中でも、パニック障害や対人恐怖症などの不安障害に有効な「脱感作療法」を応用した療法も行なっています。これは、緊張や不安、恐怖心などが生まれる苦手な状況に自分から飛び込み、さまざまな刺激に自己をさらすことで心身を慣らしていき、症状を改善していく療法のことです。

 

 

もちろん、いきなり過酷な状況に飛び込むのではなく、設定した目標に沿って、 一つひとつ目標をクリアしながら、段階的に行なっていただきます。たとえば、新型うつ病の症例として、生体リズムが乱れることで昼間まで眠つてしまうことがよくあります。結果、深夜も目覚めているといった昼夜逆転症状が生じやすくなります。そこで、規則正しい生活を徐々に取り戻していくために、前章で紹介した早寝早起きからチャレンジしてもらうのです。つまり行動療法に基づいた脱感作療法が、当研究所のプログラムの根本的な療法にあたります。早起き会のスピーチや後述する土曜講演会も、この脱感作療法を応用した療法になります。


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